日航太郎の飛行機搭乗日記

日航太郎と申します 今日もしゅっ、しゅぎょうしています

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
  1. --/--/--(--) --:--:--|
  2. スポンサー広告

クリスマス・イブ 6

眠い。

本当に寝たのかよ。

疑いたくなる程の寝不足感を引きずったまま仕事に向かう太郎君。

拷問の様な一日の始まりだ。

救いは今日、飲み会らしい飲み会が一件も入っていないこと位だろうか。

寝不足で倒れそうになりながらも持ち堪えた。

そうしているうちに不思議と元気が沸いてくる。

夕方が過ぎ、冬の早い日没を迎えた頃には体調は万全に返り咲いていた。

でも今日は早寝するぞ。

心に決めている。

仕事を終えると、やたら面倒見がいい同僚OLの

「ご飯奢ってあげようか」

という有り難い誘いをも固辞して帰宅したのだった。

真っ暗な部屋に入り、携帯を見ると留守電マークが点滅していた。

ふん。

相手は決まっているじゃないか。

昨日の今日で、もうラブコールかい。

川島なお美似。

早速留守電を聞いてみる。

(もしもし 電話下さい。明日の夜10時まで待っています。もし電話がなかったら諦めます。この電話も解約します)

助手席に根を張った23歳OLからだった。

しろよ解約。

(もしもし。今日飲み会があるので終わった後にでも会えるかなと思って電話しましたぁ。またかけてみます)

先々週、番号を教えた26歳OL。

全く忘れていたので少し意外だった。

これはもしかすると、引っ張れるのかな。

そんなふうに思う。

川島なお美似からの留守電は無かった。

少し拍子抜けしたが、まあいいや。

このパターンだと、喰った後一週間が山のはずだ。

もし一週間過ぎて電話がないとなると、少しやばいかもしれない。

でもあれほど深く愛し合った二人。

あれっきりってはずはある訳はない。

そのうち連絡あるさ。

そう思いながらも、内心、電話番号聞いておけばよかった

後悔し始める太郎君。

後悔しながら眠ってしまった。




電話の呼び出し音で目が醒めた。

反射的に、川島なお美似。

そう思って携帯を取る。

「もしもし」
「はい」
「わかる?」

寝ぼけててわかるはずもないのだが、エチケットとして  「はい」

「こんばんは」
「こんばんは」
「あら、寝てたの?」

相変わらず、さっぱり誰だか分からない。

川島なお美似ではないことだけが分かる程度だ。

「ええ 寝てた」
「今、飲み会が終わったの」

飲み会、でピンときた。

26歳OL。

とたんに目が冴える。

頭も冴える。

飲み会帰りのコール。

「そうでしたかーいやー感動だね」
「私もよ。 今日電話しても出ないから」

出る訳ねーだろ、平日昼間仕事中に。

「今から予定は?」
「友達と二次会に行くかもしれないの。電話だけでも、と思って」
「二次会? 僕と二人きりで、二次会っていうのはどう?」

寝起き3分で、そんなこと言える太郎君に乾杯。

「ええー。どうしようかなあ」

この時点で勝利だ。

どうしようかな、はOKと同義語なのだ。

「とりあえず、今からそっちへ行くよ。どこ?」
「銀座なの。遠くない?」

「銀座のどこ?」
「ソニービルの前」

「うーん、飛ばして10分位かな」
「そんなに早く?」

「とりあえず友達と二次会に行って30分経ったららまたソニービルの前にいてくれる?」
「分かったわ。そうする」

「じゃあ」

電話を切ると時計を見た。

23時15分

また明日の朝の地獄が見える。

でも明日は金曜日。

明日さえ乗り越えられれば。

自分で自分を納得させて、車で銀座に向かうのだった。




でも40分かかった。

タクシー渋滞が致命的だった。

ソニービルの前で会う彼女は、両手で自分自身を抱きしめながら震えていた。

遅刻してしまったという罪悪感と共に、ソニービル前の歩道脇に車をつける。

こんな女だったっけ??

合コンに行き過ぎた太郎君は女の顔を忘れがちであった。

やられた。

そう思うが、もちろん遅い。

先々週の26歳OLではなくて、別の26歳OLだった。

別の26歳OLは、太郎君の助手席にまたもや根を生やし、寒さの余韻にまだ震えているのだった。

「ごめん、本当にごめん」

心にもない謝罪を繰り返しつつ、よくよく見ればこの酔っぱらいOL、巨乳アイドルのなんとかに似ているかもしれない。

そう思う。

そしてそれが唯一の救いかもしれない。

お台場に出るころには、ひたすら謝り続けた努力が功を奏し、酔っぱらいOLはご機嫌になった。

「最近振られちゃったんだよね?」
「うん」

「振った女の顔が見てみたいくらいよ」

どうやら彼女に振られた、という設定にしていたらしい。

機嫌を直した酔っぱらいOLは饒舌だった。

「どこ、行く?」

苦々しい気分で、それでいてやけに丁寧な口調を使い、太郎君は尋ねてみる。

「この時間だしねえ」

何となく、嫌な予感がする。

「取りあえず、散歩でも」

ホテルへ行きたい雰囲気をあからさまに醸し出している酔っぱらいOLの気勢を制する意味で、浜辺の散歩へ誘ってみる。

やりたくない。

太郎君は心底思った。

昨日の川島なお美似との甘い夜の余韻をたった一日で灰色に塗り替えたくない。

悲痛な叫びだ。

お台場海浜公園の駐車場へ車を入れると、浜辺へと出てみる。

しかし失敗だった。

こんな夜中まさか浜辺に人がいるわけない、そう睨んでの行動だった。

それなのに浜辺には夜をも惜しんで遊び続ける若者が一杯。

何故だか花火をやっている人さえいる始末だ。

そんな中、太郎君はOLと歩いた。

うつむき加減でとぼとぼと歩いた。

出来れば他人だと思われてみたい。

浜辺に集う若者たちに。

そんなささやかな願いさえ、酔っぱらいOLに無理やり組まされた腕が打ち砕く。

弾まない話。

「戻ろう」

こんな状況なら車の中にいるほうがまだましだろう。

車に戻ると始末の悪いことに、ガラスが総曇り。

密室状態だ。

酔っぱらいOLは、もう我慢できない。

太郎君のジーンズを無理やり押し下げる。

全く今日は全てが裏目。

でも、まあいいか。

やっぱり気持ち良いことは拒んではいけない。

そんな気分で流れに身を任す。

酔っぱらいOLのお口に出した後、今度会う時はすごく愛し合おうね、そんな約束までさせられて解放された。

今日も午前3時だ。

明日の朝が怖い。





スポンサーサイト
  1. 2007/12/23(日) 09:52:22|
  2. マイラーな日常生活
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2
<<クリスマス・イブ 7 | ホーム | クリスマス・イブ 5>>

コメント

今回の連載は全て28歳の出来事でしょうか?
だとすれば、相当ドラマチックに思えます。(笑)
  1. 2007/12/23(日) 17:56:51 |
  2. URL |
  3. anamori #-
  4. [ 編集]

20代後半って一番遊んだ時期ですから(笑)。
今はそんな気力も体力もありません。
  1. 2007/12/25(火) 21:52:42 |
  2. URL |
  3. 日航太郎 #-
  4. [ 編集]

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://jaljgp.blog79.fc2.com/tb.php/487-0b463c3f
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

プロフィール

日航太郎

Author:日航太郎
日航太郎と申します。
今日もしゅ、しゅぎょうしています。
以前の日記は http://blogs.yahoo.co.jp/jal_jgp へ
メールはjal_jgp@yahoo.co.jpへどうぞ

アクセス解析






最近のコメント

最近のトラックバック

月別アーカイブ

カテゴリー

カレンダー

09 | 2017/10 | 11
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -

FC2カウンター


無料カウンター

リンク

このブログをリンクに追加する

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。